11月5日に行われた、アメリカ大統領選挙。接戦になると思われましたが、蓋を開けてみると、激戦州をすべて制したトランプ氏の勝利という結果になりました。トランプ氏の今後の動向が気になるところですが、再生可能エネルギーを含めたエネルギー政策はどうなるのでしょうか? この記事では、トランプ氏のエネルギー政策の特徴や再生可能エネルギーへの影響などについて、ご紹介していきます。

トランプ氏のエネルギー政策の特徴

トランプ氏のエネルギー政策は、化石燃料を増やす方向になると予想されており、バイデン政権がこれまで進めてきた脱炭素政策を大幅に変えていくかもしれません。

具体的には、温室効果ガス削減を推進する「パリ協定」から再離脱する可能性が高く、国際的な気候変動対策から距離を置く動きが示唆されます。

過去に離脱した際は、「パリ協定」がアメリカの経済成長や雇用に悪影響を及ぼすと主張しており、化石燃料産業の保護をしています。

また、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の生産を活性化させることで、エネルギー価格を引き下げ、エネルギー市場のコスト削減を目指していくでしょう。

こうした緩和政策が行われた場合、アメリカの経済成長に期待する見方もあるようです。

その一方で、再生可能エネルギー関連の支援策インフレ抑制法(IRA)にある補助金や税額控除の見直しがされる可能性もあります。

再生可能エネルギーを含むエネルギー政策の方針は、これまでと大きく変わる予測から、トランプ氏の動向に注目が集まっています。

参考:みずほリサーチ&テクノロジーズ@DIME

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再生可能エネルギーに与える可能性

トランプ氏が大統領になることで、アメリカの再生可能エネルギーの成長が一時的に遅れる可能性がありますが、完全にストップすることは難しいとの見方もあります。

インフレ抑制法(IRA)は、再生可能エネルギーに対する補助金や税制優遇を含む広範な政策で、すべて撤廃するのは難しいためです。

この政策によって、多くの企業や投資家が再生可能エネルギー分野への関心を維持しており、大規模な投資が今後も続くと予想されています。

また、再生可能エネルギーへのシフトが進んでいる現状から、トランプ氏の政策転換があったとしても、エネルギー転換の流れを完全に止めるのは困難だと思います。

エネルギー関連の技術革新や需要増加も継続しており、アメリカのエネルギー市場は、ますます多様化が進んでいくでしょう。

参考:Reuters

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エネルギー政策と投資への影響

今回のアメリカ大統領選挙後は、エネルギー政策に少なからず影響があり、再生可能エネルギー分野への投資環境も変わってくると思います。

再生可能エネルギーの成長を支える政策とされたインフレ抑制法(IRA)の導入により、企業や投資家は再生可能エネルギー関連への投資を加速させていました。

しかし、化石燃料を支持する政権に交代することで政策が見直され、補助金や税制優遇が縮小される可能性が出てきました。

エネルギー政策は大きく転換し、再生可能エネルギー分野を含めた投資環境に不確実性が増しています。こうした政策の変動を常にチェックし、最新の動向をもとにした投資戦略を考えていくことが重要です。

参考:IEEI

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今後の注目ポイント

トランプ氏がアメリカ大統領に再任したことで、

エネルギー政策がどのように進むのか
再生可能エネルギー分野にどのような影響があるか

これらの動向は、今後の注目ポイントです。

トランプ政権は化石燃料の活性化やパリ協定からの離脱を示唆しており、再生可能エネルギー支援の縮小が懸念されています。

しかし、インフレ抑制法(IRA)を撤廃するのは難しいとされているため、再生可能エネルギーの成長が完全に止まることはないでしょう。

また、再生可能エネルギー市場は企業や投資家からの関心が高く、すでに進められているエネルギー転換は今後も続いていく見込みです。

エネルギー関連の技術革新や需要増加もあり、アメリカのエネルギー市場は日本よりも多様化が進んでいます。

投資家の皆さんは政策の変動に注視しつつ、エネルギー転換がもたらす新たな投資チャンスを慎重に検討することが求められていると思います。

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