はじめに

オランダ NGO のリワード・バリュー財団は 1 月 20 日、世界経済フォーラムの年次総会
で、サステナビリティ指標で役員報酬設計に関する原則「責任ある報酬原則」を発表した。
これは影響力のある原則に発展していく可能性が高い。

責任ある報酬原則とは?

リワード・バリュー財団(Reward Value Foundation)は、仕事の報酬に関する責任あるア
プローチを促進することを目的としています。具体的には、リワード・バリュー財団は、
企業や組織が従業員や請負業者に対して公正かつ持続可能な報酬を提供するためのツール
やフレームワークを開発し、普及させることを目指しています。
リワード・バリュー財団が推奨する責任ある報酬の原則には、以下のようなものがありま
す。

  1. 公正な報酬:仕事の種類や責任に基づいて公正かつ透明な報酬を提供すること。
  2. 持続可能な報酬:企業の利益と従業員の報酬とのバランスをとり、将来にわたって持続
    可能な報酬を提供すること。
  3. 多様性と包摂性:様々なバックグラウンドや経験を持つ人々に対して、公正かつ平等な
    報酬を提供すること。
  4. 透明性とコミュニケーション:報酬に関する情報を透明かつ明確に伝え、従業員とのコ
    ミュニケーションを大切にすること。

これらの原則に基づいて、リワード・バリュー財団は、企業や組織が責任ある報酬を提供
するためのツールやフレームワークを開発しています。例えば、報酬の透明性を高めるた
めの報酬ダッシュボードや、従業員と企業との報酬に関する対話を促進するための会話ガ
イドなどがあります。

その具体的な影響は?

リワード・バリュー財団による責任ある報酬のアプローチは、企業や組織にとって、従業
員や請負業者との関係を改善し、生産性の向上や離職率の低下などのメリットをもたらす
と考えられています。具体的には、以下のような影響が報告されています。

  1. 従業員のモチベーションの向上:公正かつ持続可能な報酬を提供することにより、従業
    員のモチベーションが向上し、生産性や品質の向上につながるとされています。
  2. 離職率の低下:公正な報酬を提供することで、従業員が安心感を持ち、長期的な雇用関
    係を築くことができます。その結果、離職率の低下につながるとされています。
  3. 企業イメージの向上:責任ある報酬を提供することで、企業のイメージが向上するとさ
    れています。特に、若い世代の従業員や消費者にとっては、企業の社会的責任が重要な要
    素となっています。
  4. コストの削減:公正かつ持続可能な報酬を提供することにより、従業員のモチベーションや
    生産性が向上するため、コスト削減につながるとされています。例えば、従業員の訓練や
    再教育のコストが削減できる場合があります。

これらの影響は、企業や組織が責任ある報酬を提供することによって、長期的な成功につ
ながるとされています。

まとめ

今回はオランダの NGO が発表した報酬原則でしたが、日本でも同じような提言がどこか
らの組織からなされる可能性はあります。報酬は人間の生活に欠かせないものです。昨今
の日本では企業報酬の低賃金が問題視され、ゆくゆくは労働者が自身の価値を主張する動
きは見られてもおかしくはありません。このような movement がどこまで波及するか見守
りたいですね。