環境に配慮した取り組みが増えている今、グリーンエネルギーが注目されています。グリーンエネルギーは環境に優しい再生可能なエネルギーであることから、投資を検討する投資家や企業が増えています。
本記事では、グリーンエネルギー投資に興味がある人に向けて、グリーンエネルギーの基本情報や投資のメリット・デメリットについて紹介。また、業界の現状と今後の動向についても解説します。

グリーンエネルギーとは、再生可能なエネルギーのことをいいます。化石燃料を使用しないため、環境に負担がかからず、二酸化炭素や窒素酸化物など、有害物質の排出を抑えます。

主なグリーンエネルギーは太陽光発電風力発電水力発電地熱発電海洋エネルギーバイオマスエネルギーなどです。グリーンエネルギーは、環境に優しく、コスト削減につながるなどのメリットがあり、再生可能エネルギーの中でも注目されています。

グリーンエネルギーの特徴

グリーンエネルギーの大きな特徴として、環境にやさしいことが挙げられます。先述したように、グリーンエネルギーは発電時に発生する二酸化炭素排出量が少なく、環境に負荷が小さいエネルギーであるため、化石燃料に比べて大気中の二酸化炭素の排出を削減できます。

これは地球温暖化や気候変動への影響を軽減することにもつながります。また、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用するため、停電時にも発電が可能です。これにより、エネルギーの安定供給が期待できます。

それだけでなく、コストを削減できるのも特徴です。燃料費が不要なグリーンエネルギーは、維持費が低くなるため、長期的なコスト削減が実現できます。

クリーンエネルギーとの違いについて

グリーンエネルギーに似た言葉として「クリーンエネルギー」があります。クリーンエネルギーとは、環境に負担が少ないエネルギー全般のことです。そのため、グリーンエネルギーのように必ずしも再生可能エネルギーである必要はなく、再生可能エネルギー源から生成されるエネルギーや、化石燃料を使用した排出量の少ないエネルギーなども含まれます。

つまり、グリーンエネルギーは再生可能なエネルギー源から生成される環境に優しいエネルギー、クリーンエネルギーは環境への負担が少ないエネルギー全般を意味する言葉といえます。

グリーンエネルギーの現状

日本では再生可能エネルギーが徐々に推進されるようになり、脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進んでいます。日本における再生可能エネルギーの割合は、2020年に20.8%。

資源エネルギー庁が2022年に公表した「今後の再生可能エネルギー政策について」によると、2030年までに再生可能エネルギーの割合を36%から38%程度に引き上げる方針が示されています。

日本政府は、再生可能エネルギーの導入を促進するために、FIT制度(固定価格買取制度)を取り入れました。FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定の価格で買い取ることを国が保証する制度です。

これにより、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの設備が増加し、再生可能エネルギーの割合の増加に寄与しています。実際にFIT制度が導入される以前は、太陽光発電の累積導入量はおおよそ5GWでしたが、2021年までにその数字は約60GWに増加しました。

これらの再生可能エネルギーは、一般家庭においても利用されています。最も多く利用されているのは、ソーラーパネルと蓄電池を用いた太陽光発電です。一部の地域では、風力発電が利用されることも。風力発電は風を利用した再生可能エネルギーであり、風の強い地域では一定の需要があります。

再生可能エネルギーの投資とは?

需要が高まりつつある再生可能エネルギーへの投資を検討している人もいるのではないでしょうか。環境に優しく、ビジネス展開も期待できることで注目されていますが、メリット・デメリットを知ったうえで、投資を決めることが大切です。

再生可能エネルギー投資のメリット

再生可能エネルギー投資のメリットには、永続的に利用できること環境に優しいこと国内生産が可能であることが挙げられます。これら3つのメリットを詳しくみていきましょう。

永続的な利用

再生可能エネルギーは自然界に存在するエネルギーなので、枯渇することなく永続的に利用でき、長期的なエネルギー供給を確保できます。また、再生可能エネルギーの利用時に温室効果ガスをほとんど排出しないため、環境にも優しいエネルギー源となります。

このような特性から、再生可能エネルギーへの投資は、持続可能なエネルギー供給に貢献し、地球温暖化対策への第一歩としての期待がされています。

また、再生可能エネルギーの永続的な利用により、投資家にとって持続可能な収益をもたらす可能性があり、社会的な貢献と経済的な利益を両立できる点で魅力的な投資先となっています。

環境にやさしい

環境に優しいとされる再生可能エネルギーに投資することで、環境に貢献できます。取り組みの一つとして、再生可能エネルギーによる電気は「グリーン電力」と呼ばれ、二酸化炭素を排出しないことで環境への負荷軽減のメリットがあります。

また、再生可能エネルギーの利用は、地域活性化にも寄与し、雇用を生み出すなどの経済的な効果も期待されています。というのも、太陽光発電所、水力発電所には設備を管理するための雇用が必要とされるからです。そのため、環境に対する貢献だけでなく、地域経済の活性化など、さまざまなメリットがあります。

国内生産できる

再生可能エネルギーの国内生産が可能であることは、エネルギーの自給自足や国内産業の育成につながる重要な要素です。たとえば、太陽光発電は一般家庭でも取り組みやすい発電システムであり、国内での導入が比較的容易とされています。

また、国内での再生可能エネルギー関連工場への投資が増加しています。国内生産が可能であることは、再生可能エネルギーの導入や投資において、地域経済の活性化や雇用創出にも寄与するということです。

さらに、国内での再生可能エネルギーの生産が増えれば、エネルギーの自給自足につながり、国のエネルギーセキュリティを高めることが期待されます。このように、エネルギーの持続可能性や国内経済へのプラスの影響をもたらす側面があるのです。

再生可能エネルギー投資のデメリット

再生可能エネルギーへの投資は、ほかの投資に比べてメリットが多い一方で、デメリットも存在します。そのため、投資のシミュレーションを行うことが大切です。

天候・環境に左右される

再生可能エネルギーの発電は、太陽光や風力などの自然エネルギーを利用するため、天候や気象条件に左右されることがあります。たとえば、風力発電は風の強さ、太陽光発電は晴天や日照時間に影響されます。

気象条件の変化によっては発電量が不安定になる可能性があるため、再生可能エネルギーを導入する場合は、エネルギー需要とのバランスを考慮しなければなりません。具体的には、補完的なエネルギー貯蔵システムや、ほかのエネルギー源との統合などが求められます。

このデメリットを克服するために、エネルギー貯蔵技術の進化やエネルギー管理システムの改善が行われており、再生可能エネルギーの安定的な供給を目指して研究開発が進められているところです。 また、再生可能エネルギーの導入による環境への貢献やエネルギーの地産地消などのメリットも考慮しながら、デメリットを適切に対処することが大切です。

大きな設備が必要

再生可能エネルギーの設備は、太陽光パネルや風力タービンなどの大規模な機器が必要です。そのため、設置スペースやコスト面での課題が生じる可能性もあるでしょう。

とくに太陽光発電所や風力発電所を建設するためには、広大な敷地や高額な投資が必要となります。また、再生可能エネルギーの設備は、風力タービンや太陽光パネルなどの大規模な機器を製造、設置するための技術や資源を要します。

事前に設備の大規模さや必要な資源について検討しましょう。

発電のコストが高い

再生可能エネルギーの導入には、初期投資やランニングコストがほかのエネルギー源に比べて高いといわれています。とくに太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入には、高額な設備投資が必要であり、これがコストを押し上げる要因に。

高い初期投資とランニングコストは、再生可能エネルギーの導入では企業や個人が直面する課題であり、これらのコストを補う制度やファンドが検討されています。環境への貢献や持続可能なエネルギー供給といったメリットはありますが、コスト面での課題も存在し、これらをバランスよく考慮することが大切です。

再生可能エネルギー関連銘柄が注目される理由と今後

再生可能エネルギー関連銘柄とは、再生可能エネルギーに関連する企業の株式を指します。再生可能エネルギーは風力、太陽光、地熱、水力、バイオマスなどを利用して生成されるエネルギーであり、これに関連する企業の株式が再生可能エネルギー関連銘柄として取引されているということです。

これらの銘柄は、環境に配慮したエネルギー事業への投資を目指す投資家の関心を集めています。注目されている理由と今後の動向についてみていきましょう。

再生可能エネルギー関連銘柄が注目される理由は

再生可能エネルギー関連銘柄が注目される理由は、環境問題への対応や脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進んでいるためです。気候変動による影響や温室効果ガスの削減が求められるなか、再生可能エネルギーは持続可能なエネルギー源として注目されています。

先述したように、再生可能エネルギーは永続的にどこにでも存在し、二酸化炭素を排出しないという特徴をもち、これらの特性が環境問題への解決策として期待されているのです。このような状況下で、再生可能エネルギー関連銘柄は投資家の関心を集めているといえるでしょう。

具体的には、太陽光発電、風力発電、バイオマス発電などの企業が含まれており、これらの企業は環境に配慮したエネルギー事業に投資することを目指す投資家にとって魅力的な投資対象となっています。

再生可能エネルギー業界の今後は?

社会全体の脱炭素社会への移行や環境に対する意識の高まりにより、再生可能エネルギーの需要は今後も高まるといえるでしょう。世界をみると、天然ガスの供給危機や電力市場の高騰なども懸念されており、再生可能エネルギーの主力電源化の動きが加速しています。

実際に、再生可能エネルギー全体の導入量は年々増加し、2021年度時点で8,765万kWに達しており、2030年度における再エネ導入見込み量は57%程度に達する見込みです。さまざまな要因から、再生可能エネルギー業界は今後も成長が期待されています。

こちらでは資金を調達する手段として広く使われているクラウドファンディングについて、メリットと一緒に解説しますので、合わせてご覧ください。

まと

これからも期待されるといえる再生可能エネルギーですが、投資の際は本記事で紹介したメリットを踏まえながら、デメリットにどう対処するかを検討しましょう。

エナジーシェアーズは、再生可能エネルギー投資への第一歩をサポートする会社です。
事業型クラウドファンディング業務も行っており、再生可能エネルギー分野に特化した資金調達や資産運用を提供しています。投資への関心がある方は、問い合わせしてみてはいかがでしょうか。