メジャーリーグで大活躍を続ける、大谷翔平選手。今年は特に驚異的な活躍で、2年連続3度目のMVPを受賞し、その他でも受賞ラッシュとなりました。そんな大谷翔平選手も企業と組んで環境保全活動を推進していますが、彼が所属するロサンゼルス・ドジャースでは、環境への取り組みも活発に行われていることをご存知でしょうか。この記事では、環境問題に対する球団の具体的な取り組みやメジャーリーグ全体の環境対策、環境問題への対応が企業に与える影響について、ご紹介していきます。

環境問題に対する球団の具体的な取り組み

ロサンゼルス・ドジャースには財団があり、この財団を通じて非営利団体などと連携し、カリフォルニア州の野球場に太陽光発電設備電気自動車の充電ステーションを設置しています。

この取り組みは、地域社会に持続可能なエネルギーを提供する目的で行われました。設置した効果として、今後25年間で100万ドル以上の電力コスト削減が見込まれているそうです。

また、地域の雇用促進にも貢献し、地域住民が太陽光発電システムの設置に必要なスキルを学ぶ機会をつくり、新たな仕事を創出しました。

こうした活動はカリフォルニア州の温室効果ガス削減目標の一環として認可されており、企業が地域密着型の持続可能なプロジェクトを支援する例として注目されています。

参考:Climate Resolve

メジャーリーグ全体の環境対策

メジャーリーグベースボール(MLB)は持続可能性を推進するため、廃棄物の削減や堆肥化水資源の保全エネルギー効率向上などの環境対策に取り組んでいます。

各球団はLED照明や太陽光パネルの設置、スタジアム内のリサイクル計画を実施するなど、独自で活動を進めているそうです。

MLBが環境保護活動の一環として設立したボランティアグループ「グリーンチーム」は、観客からのリサイクル収集をサポートしています。また、球団の従業員は地域への食品寄付やボランティア活動を通じて、社会に貢献しているとのこと。

MLBの取り組みは、スポーツを通じて環境意識を高めている代表的な事例だと思います。

参考:Green | MLB together メジャーリーグベースボール

日本球界の環境対策は?

日本球界の環境対策には、どのような事例があるでしょうか。
例えば、日本を代表する阪神甲子園球場は環境に配慮した野球場を目指し、様々な取り組みを進めています。

内野スタンドの屋根には約1,600枚の太陽光パネルが設置され、約150トンの二酸化炭素を削減をすることが可能です。さらに、雨水を地下タンクに貯水し、トイレの洗浄水やグラウンドの散水に利用することで、年間使用水量の約65%をカバーしています。

また、プラスチックカップのリサイクルでは年間約7トンを回収し、再生ポリエステル繊維にリサイクル。球場の名物グルメ「甲子園カレー」や「甲子園やきそば」の容器をプラスチック製から紙製に切り替えるなど、脱プラスチックを推進しているようです。

他にも、LED照明を導入することで、スタジアム照明による二酸化炭素の排出量を約60%削減できるとのこと。

これらの活動は、球場のリニューアル工事時に掲げられたテーマである「環境への配慮」をもとにして、取り組まれています。

参考:COOL CHOICE

環境問題への対応が企業に与える影響

企業は気候変動や環境問題への対応を、より一層求められる状況にあるでしょう。

2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、社会経済や産業構造の変革が予想されています。気候変動関連の情報開示や、サステナビリティに関する基本方針の策定など、関係各所から環境対策の取り組みを要求されつつあるのが現状です。

投資家や消費者の価値観・行動の変化から、グローバルな企業や大企業は事業活動の脱炭素化を進めています。一部の企業は自社だけでなく、取引先企業の二酸化炭素排出量の削減も要請しているようです。

中小企業も生産体制の見直しなど、変革を迫られるかもしれません。将来的には、環境問題への対応の有無によって、企業の選別がされることも考えられます。

環境問題への対応は、企業にとって大きな影響を及ぼす事案になると思います。

参考:全国銀行協会

ドジャースの環境活動から学べること

ロサンゼルス・ドジャースの環境活動は、スポーツを通じて環境保護に貢献する成功事例として多くの学びがあります。

地域社会と協力し、持続可能なエネルギーの普及温室効果ガスの削減、さらには地域の雇用促進まで、多方面での成果をもたらしています。環境だけでなく、地域経済や社会全体にもポジティブな影響を与える相乗効果が生まれているでしょう。

また、環境問題への対応が企業価値の向上やブランドイメージの強化にも繋がることがわかります。環境への取り組みが投資家や消費者にとって重要な評価基準になっており、持続可能な未来を目指す姿勢が、企業に求められていると思います。

ロサンゼルス・ドジャースのように、環境問題への対応を自分たちの価値向上や地域貢献と結びつけることを、ぜひ見習いたいものです。そして、大谷翔平選手の今後の活躍も見守っていきたいですね!