新NISA(少額投資非課税制度※)が開始されてから1年が経過しました。この制度は、個人投資家が非課税で投資を行える魅力的な仕組みとして、多くの注目を集めています。この記事では、新NISAの現状と2025年に注目される投資分野、再エネ市場の成長性について、ご紹介していきます。今後の投資戦略の参考にしてみてください。
※少額投資非課税制度:投資から得た利益が非課税になる=税金がかからない制度
新NISA開始後の動向
新NISAは、2024年にスタートし、投資から得た利益が非課税かつ保有期間が無期限で投資を行える枠組みとして大きな関心を集めました。旧NISAは投資額や非課税の保有期間が限定されていましたが、新NISAでは金額の拡大や期間の無期限化など、資産運用により活用しやすいものとなりました。
▼新NISAの特徴
・非課税保有期間の無期限化
・年間投資額の拡大
・非課税保有限度額の拡大 など
新NISAになってから、枠組みの名称も変更されています。
・「つみたてNISA」→「つみたて投資枠」:一定の投資信託にだけ投資できる、積立投資枠
・「一般NISA」→「成長投資枠」:幅広い金融商品※を購入できる枠
※上場株式(日本株式や海外株式)、ETF(上場投資信託)、REIT(上場不動産投信)など
新NISAでは、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つが併用できるようになり、投資家の多様なニーズに応える仕組みになっています。
▼今までのNISAは、選択制
「つみたてNISA」:年間40万円 (非課税保有期間:最大20年)
「一般NISA」:年間120万円 (非課税保有期間:最大5年)
↓
▼新NISAは、併用可
「つみたて投資枠」:年間120万円 (非課税保有期間:無期限)
「成長投資枠」:年間240万円 (非課税保有期間:無期限)
合計:年間360万円まで投資可能
「つみたて投資枠」では、長期的に資産形成をしていく投資信託などの積立投資が非課税の対象となります。一方の「成長投資枠」では、国内外の株式やETF(上場投資信託)などの投資が可能です。これによって、投資初心者から上級者までの幅広い層が新NISAを活用しています。
参考:株探 成長投資枠とつみたて投資枠の違いを比較!どっちがおすすめ?(2025年1月15日)
新NISA開始から、多くの個人投資家がこの制度を利用し、資産形成に取り組んでいます。特に、非課税のメリットを活かして長期的な視点で投資を行う動きが目立ちます。
2024年1月~3月のNISA買付け額は約6.2兆円に上り、前年同期の約2.5倍となりました。また、若年層の投資家の増加も見られ(20代+1.3%、30代+3.8%、40代は+3.2% ※前年同期比)、特に30代から40代の利用者が増加しています。若い世代でも投資への関心が高まっており、将来的な資産形成や老後の備えとして、新NISAを活用する動きが広がっています。
参考:第一生命経済研究所 新NISAで個人の投資行動に変化はあったのか(2024年6月14日)
新NISAの導入は、個人投資家の投資行動に大きな影響を与え、今後の市場動向に関心が寄せられています。投資家の皆さんは、非課税の無期限化などのメリットを最大限に活用し、長期的な視点で資産形成を目指すと良いでしょう。
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投資の未来を切り開く!個人投資家のための成功戦略「新NISA投資ガイド」
2025年に注目される投資分野
2025年に注目の投資分野として、AIやDX関連、医療やヘルステック、再生可能エネルギーなどがあり、政府支援や市場拡大によって、さらなる成長が期待されています。
AIやDX関連
AI技術やデジタル化の発展により、多くの企業が業務効率化や新たなビジネスモデルの構築を進めています。これに伴い、半導体メーカーやデータセンターなどの関連企業や技術への投資が増えていくでしょう。
医療やヘルステック
高齢化社会の進行や健康志向の高まりで、医療技術やヘルスケア関連のサービス・製品への需要が拡大しています。特に、遠隔医療や予防医療などの分野が注目されています。
再生可能エネルギー
地球温暖化対策や持続可能な社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入や脱炭素化の動きが加速しています。政府支援や技術革新により、再エネ市場は今後も成長が期待されるでしょう。
これらの分野は、テクノロジーの進歩や社会的なニーズの増加を背景に、これから先も持続的な成長が考えられます。特に、再エネ市場は持続可能な社会の実現と高いリターンを求める投資家には、魅力的な投資先となっています。
参考:ファイナンスドットコム 2025年注目の投資先とは?成長市場とリスク管理のポイントを徹底解説(2025年1月6日)
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【地球温暖化対策】再生可能エネルギーの重要性と投資チャンス
再エネ市場の成長性
再エネ市場は、脱炭素化に向けた政府支援や技術革新があり、着実に成長しています。政府は2030年度までに再エネの電源構成比を36~38%に引き上げる目標を掲げ、様々な再エネ技術の導入を推進しています。
特に、太陽光発電の導入が進んでいますが、あらゆる再エネの導入促進を後押しする必要があるとのこと。技術の進歩やコストの低下によって、建築物に対する太陽光発電の導入、洋上風力発電の導入などが、今後ますます強化されていく対象です。
また、水素やアンモニアなどの次世代エネルギーの活用、CO2削減技術の開発など、多様な技術革新も進められています。こうした取り組みにより、再エネ市場はこれからも拡大が予想され、さらなる成長が見込まれています。
参考:経済産業省 資源エネルギー庁 2023―日本が抱えているエネルギー問題(中編)(2024年5月14日)
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まとめ:2025年の投資戦略
2025年も新NISAの非課税枠を活用し、成長が期待される投資分野に注目することは、個人投資家にとって有効な戦略の一つです。特に、AIやDX関連、医療やヘルステック、再生可能エネルギーの市場は、いずれもテクノロジーの進化や社会的ニーズの高まりを背景に、持続的な成長が見込まれる分野です。
新NISAの「つみたて投資枠」で長期的な資産形成を行いつつ、「成長投資枠」を活用してリターンを狙える分野に分散投資を行うことで、リスクを抑えながら高いリターンを目指すことができます。また、再生可能エネルギーの市場は、政府支援や技術革新により今後も成長が期待され、長期投資の視点で非常に魅力的です。
投資にあたっては、目標設定や資金管理、長期投資をすることが重要になります。市場の動向や経済政策の変化を注視しながら、投資目的やリスク許容度に合った戦略を立てていきましょう。持続可能な社会の実現とあわせて、資産形成の成功を見据え、今から行動を起こすことが未来への第一歩です。